ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

不都合な真実

 

不都合な真実 (字幕版)

不都合な真実 (字幕版)

 

いやこれ映画としてはだいぶ稚拙じゃないです? 序盤からのなんの衒いもないゴアの立て方がスーパーおべんちゃらって感じでドン引きしてしまった。公演ベースというのはあるだろうけど周囲の人がゴアさん万歳!! って感じなのも本当に引く。ラストのいかにも意識高そうな人がアガりそうなエンディングには爆笑してしまったよ。マジで薄ら寒い。

いやだってこういうテーマって、世の中の複雑な仕組みの中でどうやって問題が起こっていて、そのコンフリクトはなぜ解消しづらいのかが明らかになるから面白いわけでしょ? 意義があるわけでしょ? ところが地球温暖化が起こっているっていう反論不可能な題材を延々とボッコボコにして「私は世界の真実を知っている」アピールされてもなにも面白くないよ。自分たちの正しさによっている人を気持ち良くさせる構成にしか思えない。ってか地球温暖化が起こっているのが事実ってそんなに全力で説明しなきゃならないことなの? アメリカ人はそんな認識なの?

だから後半、たばこ産業のアレやコレやを引っ張り出しつつ、どうやって温暖化政策が遠ざけられてきたかのパートはまあまあ面白い。地球と金塊が天秤にかかって「balance」とか書いてあるのはやっぱり爆笑しちゃうよね。

でも、しばしば自分の権益にしがみついて、そういった愚かさから逃れきれないのは人間としての性であるわけで、その性を嘲笑ったり一方的に論破したところで行動は変わらないでしょ? この映画は意識高い人が意識高い人の自尊心をくすぐることを目的としていて、むしろ対立を加速させているよなー。むしろ人はなぜ科学者の結論を改竄してしまうのか、そういった人間の弱さを「自分にもありえること」と認めるような態度のほうが、問題解決を早めるんじゃないの? とキョービ思ってしまうよなー。