ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ハプニング

 

ハプニング [Blu-ray]

ハプニング [Blu-ray]

 

シャマランはすげえなあ。よくもまあこんなアイディアで一本作ろうって思うもんだわ。まあゾンビ的なパニックなホラーの亜種って感じだけど、ここまでパニックの正体を抽象化しちゃった作品ってすぐには思い当たらないなあ。だって普通恐怖の対象こそが作品の顔になるわけじゃないですか。それが、いくらなんか不安になる音楽をつけているとはいえ、木の梢がふらふら草原を渡る風がゆらゆらで行ける! っていうのはマジで頭おかしい。でもまあむしろそういう対象の方がリアルに思えてしまうのは東日本大震災があったからなんだろうなあ。いや、普通に色々怖い作品ではあったと思います。ってかさー、こういう出来事がもし起こったら普通に信仰に縋ってしまいそうだよね。そういう「理屈が通用しないからこそ生まれるカルト」みたいな対象がなかったのがむしろ不自然な感じさえする。

が、しかしそういった抽象的な思考実験を語るのに適切な内容だったかというとわかんねーなー。ってかマーク・ウォルバーグはもう『ペイン&ゲイン』の印象が強すぎて、教師で色々推論しているシーンがもう平静に見ていられない。お前無理でしょいくら考えたって、となってしまう。まあ実際、まったく人知が及ばない出来事を描いた映画ってことは言えるのかもしれないけど。しかしなあ、もうちょいこう、人間が何かの仮説に縋っては裏切られみたいなのを描いてもらっても面白かったかなあ、とは思う。