ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた

 

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた (河出文庫)

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた (河出文庫)

 

うーん楽しい。SFって感じ。っていうかアニゴジ見終えた後だから感慨ひとしおって感じでございますね。「科学の進歩が善か悪か」については作者もかなり自覚的に口を噤んでおりますが、まあ普通に考えて知り合いが死ぬのを避けたいから科学を発展させようというのはまあ同意できちゃいそうだよねえ。個人的には別にモルヒネスイッチ押しまくって人類滅びてもそれはそれでいいんじゃね? とか思っちゃうタイプなのであんまりそこら辺の倫理には踏み込まない方が吉。まーそういう意味でアニゴジは正しい結末なんだと思いますよ色々。

まあそういう哲学的なアレは別として、この本は終始実践的に人類の復興に取り組んでいるわけでそれがまあ大変面白い。技術の結晶である最先端の生活はできないけど、農耕牧畜の最初に戻って車輪を再発明する必要はなくて、ワリと楽に応用の利くほどほどの技術から復興をはじめよう、とか目からウロコ。都市の廃品を再利用してドーナツ型に農耕するのが復興初期なんて考えたこともなかったよ。車の後ろ半分を切って動物に牽かせるとかもうそれだけでSFビジュアルが成立しちゃって最高ですね。とにかく農業は四圃輪栽式農法を確立せよ、とかもう実践的すぎて笑うしかない。そうかーハーバー・ボッシュ法はマジで偉大なんだなー。