マレーシアのアニメーションSF映画!? マジかよ!!
ウェルズの『宇宙戦争』を下敷きにしてある作品なんだけど、舞台はそれから時間が経ってサラエボ事件のタイミング。宇宙人の技術を使って科学が発展したスチームパンクで、セオドア・ルーズベルトがガンガン前線で戦ってたり、ニコラ・テスラもバッチリ出てきたりで、なるほどこういう外連味は悪くないなあと思う。火星人という共通の敵が現れたことで全体主義に傾いている街の美術とかはとても良いですね。
しかし見た目は良いのに内容的には全然納得感がないのが非常に残念。トライポッドの技術応用で戦車も3本足で、とか一瞬カッコいいとは思うけど、前進している姿を見ると全然合理性がわかんなくてだいぶゲンナリする。そこら辺に突っ込むのは野暮? いやしかし、サラエボ事件で帰国命令があるのに、なんか良くわかんないけど流れで「オレたちは火星人と戦うぜ!」って祖国を裏切り命令違反しちゃう軍人とか正直ちょっとないですね。単純にストーリーがすごく稚拙。そもそもセオドア・ルーズベルトがあの位置でアクションする意味が全くわからない。
かといってアニメとして面白いかというとそっちも全然……って感じだしなあ。まあ頑張って創ってはいるのだろうけど。