ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

アド・アストラ

 

いやー、そういうトーンのものがやりたかったのね、というのはわかるし、努力しているのもわかるんだけれども、なんなんだろうなーこの滑っていく感じは……『2001年宇宙の旅』とかの感じが多分先行例としてあって、あのくらいの科学技術の発展を今風に描くとこうなるって感じなんだろうけれども、しかしこの根本的な感触の違いみたいなのはなんなんだろう……全然違ったものに見える。そしてそれがポジティブではない。

なんだろうなあ、根本的に「未知への恐れ」みたいなものがないのかなあ。これだけ大がかりな立て付けを使っておいて、結局真相も乗り越えるべき壁も決着の方法もクッソ月並みというか……だったらもうちょい父親の中に宿った狂気をちゃんと表現してやるべきだよなーと思いました。

あと最後の山場の辺りは爆笑するしかないというか、あれ考証どうなってるんですか? いや、もし万が一合っていたとしても、オレは「いやいやでもでもそれは……」ってなりますけど。っつーかあそこで輪に突っ込むのを山場として描かなければならない理由は何だったんだろう……謎。

しかしブラッド・ピットがブラッド・ピット力で突然大量殺人を起こしてしまうシーンは爆笑せざるを得ないよね。あそこで「自分の意志ではなく」「自分以外の人間が全て死んでしまう」というのが、プロットで要請されているのはわかるけれども、そこをブラピ力で突破してしまうのはさすがに笑わざるを得ない。