正解するカド Blu-ray Disc BOX 1(完全生産限定版)
- 作者: 村田和也
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2017/07/26
- メディア: Blu-ray
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うーんファーストコンタクトモノの弱点がこれ以上ないくらい出てしまったなあという印象。
まず前提として異方人を悪として描いてしまうのは最悪だよね。ファーストコンタクトって文化と文化の交錯においてその差違に軋轢が生じるけれども、そもそも文化に優劣がなく別個の正義であるっていうのが前提じゃん? だから物語としては大変わかりやすい結末に持っていくのが難しいわけだけれども、あの落とし方は序盤の丁寧な異文化交流の良さをブッ壊す勧善懲悪になっていて、うーんもうちょっと頭良く解決できないんですかね? と盛大な溜息が出た。ホモの痴話喧嘩にするならするでもっと段取りが必要でしょう。いや真面目な話、これをエンタメとして落とし込むには普通にホモの痴話喧嘩にするしかないと思うんですけど、だったらむしろ異方人を女性にして男とくっつくくらいのエンターテインメントにしないと全然納得がいかないよなー。
しかし盛大な肩透かし感があった最大の理由は、序盤社会組織側を描くぞって見せ方をしてしまったところだと思うんだよなあ。無限の電力が供給されるアイテムが社会に投げ込まれたら、世界秩序はどう変わるか? っていうのはまさにSFの世界のタガの外し方で、思考実験としてめちゃくちゃそこが面白いわけじゃないですか。なのにそこら辺は完璧スルーで移動作戦辺りからどんどんスケールがダウンして、うーん期待したものではなくなってしまったなあ、と。ってかあの放送の話なに? って感じだし重力制御の影響や応用が描かれないのは全くあり得ないでしょ。
いやー、アニゴジの2でも思ったけど、人間に想像できないものを描くって大変難しいし、向こう側の理論とそれに対抗する物語をエンタメに落とし込むって難しいものですねえ。