いやー、谷口ジローの仕事はすごいなあ。こんなのもやってたんだなあ。
まあ大体関川夏央が1巻だかでいっていることでだいぶ問題意識がクリアになってて、そうだよなあ今の日本を考えるに明治維新ってやっぱりちゃんと振り返んなきゃならんよなあ。言文一致運動とか教科書とかでしか知らないけれども、書き文字を変えるってことはそのまま意識を変えるってことなワケで、まあそこで世界の見方ががらりと変わってしまうはずだもんなあ。『吾輩は猫である』を初めて読んだとき、その文章の読みづらさにめちゃくちゃびっくりしたもんなあ。
とはいえ色々じっくり考えるには前提の知識が足らなすぎて、特に政治運動の下りはどーも文脈がわからーん。マンガでいい入り口にはなったと思うので、そこら辺の流れをできるだけフラットに一通りさらっておきたいなあとは思う。
あとは啄木がヤバい。啄木。延々金借りるだけの話で一巻やる? いやまあそれだけじゃないし、あとそもそも全体的にそういうどーしょーもない描写をしつこくやるのが全体のトーンって気もするけれど、しかしあの金借り話へのこだわりっぷりが異常で笑ってしまう。前の巻が森鴎外でかなーり大上段から振りかぶった話だったからなおさら。いやー、面白いマンガだなあ。