と、とんでもない映画だ……ってかこの監督『トーク・トゥー・ハー』も撮ってんのか。『 ボルベール〈帰郷〉』はまだ理解の範疇だけど『トーク・トゥー・ハー』もか。すげえな。やべえなこの監督。
ということでそもそもがとんでもない脚本で、いや普通コレ演劇にまつわる話ってだけで全然ドラマになるはずなのに、そこになんでおっぱい付き男を入れちゃうのかが最高に謎。意味がわからん。果たしておっぱいをつけることでなにが生まれるのかよくわからんのだけれども、いやでも確かにおっぱいがついたことで色んな人にわだかまりや秘密が生じていてそれがこの作品の根幹を支えるわけで、中心人物の登場を引きつけるその手管と相まっていやーまじやべーなこの脚本。やっぱ頭のネジが外れてる。すげえ。容赦なく人は死に人は消え時が流れていく中で、最後に奇跡のようにとってつけられる希望は、いやそれさすがにやりすぎでしょーという感じもするけれども、やっぱりジーンとしてしまうのも確かだよなあ。『この世界の片隅に』でも思ったけど、赤ん坊というのは未来に対する可能性の塊で、それはそれまでのストーリーの整合性をひっくり返すほどの可能性を担ってるってことなんだろうなあ。
にしてもペネロペ・クルスがあの役割を演じるのずりーよ。ペネロペ・クルスってなんか強い女って印象がすげーあったので、あの役割をされるとギャップで「ひえっ!」となってガードできない。ずるい。