日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち (新潮選書)
- 作者: 板谷敏彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/02/01
- メディア: 単行本
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最初は知識足りるかすげー不安だったけど、同じ著者の『金融の世界史』読んでいたおかげでまあなんとかついて行けたかなあ。本の中軸には数字がダーって並ぶけど、それと日露戦争の状況と世界情勢がどのように結びつくかみたいなところをちゃんと説明してもらえるので、普通に面白く読めました。タイトルに「高橋是清」の文字が入っているけど、伝記と言うよりもむしろ日露戦争の日本の歴史を追いかける本って感じ。
かつて金本位制がとられていたのはもちろん知っているし、ニクソン・ショックとかやっぱワケわかんねーなーと思うけど、でも具体的に金本位制でどんな国際金融活動が行われていたのかはサッパリイメージできなかったので大変面白かった。そうだよなー輸入するのにはまず金がいるんだよなー当たり前だけど。
でもって当然日露戦争あたりは日本が産業革命で先進国に追いつこうとしていた時代なワケで、それが国債を追っていくと数字でわかるというのは大変面白い。日露戦争がすげえターニングポイントって話は世界史で何度も聞いているけど、ここまではっきり数で示されると納得感が半端ないよなあ。
そしてまた当時の国債のヤバさを示しながら、対比して現在のヤバさが示されるのが大変身につまされる。国の経済活動を一般市民の金銭感覚で捉えるのは間違ってるのはわかるけどさー、それにしたって後先考えずお金を借りすぎだよねえ。その後の日本の歴史を知っているからこそ、翻って現在の状況を考えてしまうつくりで、いやあ……