ショッパなっから時空を飛ばしまくっててオスカー・ワイルドとかよくわからんしこれどうなってしまうの? と思ったけど本編はまあまあちゃんと追いかけられる感じで一安心であった。とはいえ時系列は入り乱れるし主要登場人物は複数人いるしでちょっと追いかけづらい感じにはなっていて混乱することもしばしば。ちゃんと話を追いかけられたのだろーか。正直こういう語り口は苦手。
ストーリーは過去にあったひとりの伝説的歌手の軌跡を追いかける、という体でありながらも結局の所語り手のアイデンティティを辿る話になってそれはそれで好感。狂言自殺の下りなんかを軸にいかにもありがちなドラッグセックスロックンロールの話にもできたんだろうけど、こういうやり方の方がこのテーマだったらしっくりくるよね。っつーかむしろラストの伝達が行われる話でようやく「あーなるほどそういう落とし方か」と納得する感じ。
ファンタジーシーンを含めて色々見所はあるけれども、まあマックスウェル・デイモンのカリスマが全部を繋ぎ止めているわけで、そういう描写はしっかり説得力があって良い。でもあのズームは笑うなあ。重要シーンでここぞとばかりに炸裂するズーム。アレはアレで時代感あっていいけど。