わっはっはっはなんじゃこの映画。統合失調症っぽい男主人公の陰謀論に周囲が翻弄される序盤をどうやって転がすかと思ったら、なんの捻りもなく秘密工作で実際陰謀が行われていたという超展開。いやー前半あれだけ「あり得ないでしょ」っていう常識的判断で物語を展開させたのだから、それがひっくり返すところには普通細心の注意を払わないといけないはずなんだけど、そこをガン無視で力強く物語を進めていくその手管には圧倒された。マジか。正気か。トルコで地震まで起こすのか。
まあしかし一応そういう前提なのねしょうがないねと思わせるだけの牽引力は一応あり、なんだかんだメル・ギブソンが追跡されるのを如何にやり過ごすかという手管にアイディアがあって面白い。色々ツメは甘いけど、これだけアイディア詰め込まれると赦してしまうよね。ラストあたりのストーリーのどんでん返し含みの展開も、色々細かいことを気にさせない力強さに満ちていて、まあこれはこれでこういうエンタメ映画があってもいいよなあ、とは思わされました。
しかしラストでだいぶ普通の人間になっていたのはどうなの? と思う。序盤よりもずいぶん物わかりの良い人間になっていて、それってちょっと流れでやりすぎじゃありません? まあだからといって殺せば良いかというとそうでもないよなあ、とは思いましたが。