へー、主演兼監督か……こういう激シブの作品も撮るんだなあ。ビックリしちゃったなあ。
バーンスタインの名前は聞いたことがあるけれども、「ウエスト・サイド・ストーリー」くらいしか作品を知らないんじゃないかなあ。正直なところ、映画を見て音楽がワンフレーズ流れたところで気づいたよね。というか、あまり思い入れが強くはない作品なのに、あのワンフレーズだけで思い出せるのは、本当にすごいよなあ、とは思う。
序盤のハッピー過ぎる展開はあまりにわざとらしいので、後半のカラーパートで「さあ、はじまるぞ!」となった。そういう意味では、あまりにもあからさまな白黒演出は効果的に機能してたのかもしれない。でもそういうリズムの切換がないと、とりとめがなくてちょっとかったるい感じの作品ではある。
しかしなんというか、芸術と性的な感情の解放が、ここまで自明のものとして結びつけられるんだなあ。もちろん理屈ではわかるけれども、その感覚が家庭と天秤にかかったり、あるいはそれを前提としてパートナーの感情が抑制されたりで、まあまあ不思議な気持ちになってしまう。バーンスタインという成功者の名前があるからこそできる話、ではるのかしら。