ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

セックスワーク・スタディーズ

 

結構前に買っていたのだけれどもようやく読んだ。

女性の主体性とか選択の権利を重視しなければならない、というのはもちろん頭で理解していたつもりだけれども、なるほど確かにセックスワークへの偏見が今まで全くなかったのか、といわれればやはりそういうことはないと思う。主体的にセックスワークのように性産業に携わる人がいるのはわかっていたが、一方で弱者が搾取されている構造も全くないわけではないわけで、そこはどちらの権利も尊重しつつ、バランスを取るべき、というのが前提なのだろうなあとは思う。ネットで見ると、どうしても主体的に選択を行っていて、その権利を擁護する人の声が大きく思えてしまって、そうじゃないだろ……とすぐに反感を抱いてしまうのだけれども、権利を奪われているという点ではどちらも問題を抱えているのには変わりないわけだな。

しかし冒頭にも書かれているように、この本の筆者もやはり様々な立場の人がいて、その思想は一枚岩ではないのだろうな、ということも強く思った。っていうか、微妙な問題であるのだし、様々な意見が出てきた方がむしろ健全ではあるよな……

一番印象に残ったのは、デリヘルを呼ぶことで表現の自由とのコンフリクトが起こった事例が取り上げられていた章。やっぱり、作品のお題目の前に人権が蹂躙されることはあってはならないわけで、今ネット上で起こっている論争もだいぶ似てるところがあるよなー。