このポスターすげーところのエピソード使ってたんだなあ。
原作もしばらく前に読んだと思うけれども、映像になった途端まあとにかくセックスしてんなーこのふたりという印象。こんなにやってたっけ？ まあ小説では違和感なかったのが映像で２時間にぎゅーっと縮まったからこういう印象になったのかも知れない。理屈から言うとふたりの親密さをこの短期間で成立させるにはセックス描写しなきゃいかんよなーというのもわかる。わかるんだが。
しかし小説ではアリだったハードボイルド描写が映像化した途端「えー」となってしまう問題というのはあり、この作品はだいぶがんばっているけれどもやっぱり所々「うーん」となってしまうなあ。いやまあキレキレな台詞は基本的にはいいんだけど。美術もかなりがんばっていて独特の不夜城感を出してるし、がんばってはいるんだよなー。
あとしつこい鍵穴描写。セックス前に鍵穴描写。エンディングでも鍵穴描写。原作ではかなりヒロインがファムファタル感があって、主人公が為す術もなくどんどん吸引されていくって印象だったんだけれども、この作品はむしろ主人公が主体的に選択している感があってだいぶ印象が違う。オレが好きだった原作の印象を生かすなら、きっと鍵をじっと見つめて躊躇する主人公の描写を入れるべきとか、そういう解釈の違いだろうなー。
あ、でもファーストショットはとても気合いが入っていて良いと思いました。ステディカムでない手持ち長回しから始まって、不夜城の空気を一発で伝えつつ、クレーンでタイトルが入り込んでくる流れは文句なくかっこよかったですはい。
