ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

伊賀忍法帖 山田風太郎忍法帖

 

あーうん、これは面白い。

忍法帖って、自分が雑に読んでいるのもあって、微妙にキャラの書き分けがよくわからなかったり、人間関係が掴みづらかったりするのが多いんだけれども、これは「主人公vs七人の敵」という中心軸に、周囲を歴史上の偉人や特定の美女が絡んでいく……ということで、構図が大変わかりやすい。千利休なんて超大物から始まって、松永弾正なんて超クセモノや、柳生石舟斎みたいなんてビッグネームに、果心居士なんて伝説のキャラが絡んでいって、それぞれキッチリ活躍するんだからそりゃまあ面白いよね。そしてトドメは上泉伊勢守でしょ? 日本史に疎いオレでも「うおーコイツ出た!」って理解できるくらいのキャラが山盛りで、しかも史実を踏まえてお話が語られるわけだから、そりゃまあおもしろくないわけがないよね。

しかしまあ、根本にあるのは「淫石集め」という超しょーもない動機で、しかもヒロインが首を切り離されたり、瓜二つだったり……という、ザ・山田風太郎って感じのエログロなのは、笑っちゃうよなあ。ここまで女性の描き方が性に寄ってたり、人格が置換可能だったりするのは、単に時代やジャンルの要請だけじゃ説明できなそうな感じがする。まあ、あんなエロシーン、性的指向が特殊じゃなければ描けないだろうなあ、とは思うけど……