ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

メメント

 

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  • ガイ・ピアース
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超昔に見たんで内容はすっかり忘れていた。ノーランの本で構成の方はなんとなーく思い出してたけど、細部はすっかり忘れているもんだわね。

でまあ、改めて見るとかなりアクロバティックなことをやっているよなあ。時間が巻き戻る度に記憶を失っているという設定なワケだけれども、そこで明確に行動原理が説明されるところとされないところがあって、うまいこと話がコントロールされてるなあ、と思う。もちろん時間が巻き戻る度に、いちいちメモを確認する仕草を入れても良いワケだけれども、そうしないのは演出の妙って感じなんだろうねえ。

全体を通して、この話は真実をめぐる物語――というか、真実の物語を巡る物語、というのも、改めて見返して強く思った所。初見では話の筋を追いかけるのが大変で、全体を俯瞰する視点では見られなかった気がするんだけれども、今回改めて見ると、登場人物が主人公に語る「フェイクの物語」の多さにビックリするよね。そして虚実が激しく入り交じったストーリーの向こう側に、それまで強固と思われていた記憶を失う前のストーリーさえ疑われる破局がやってくる――という展開は最高にスマートだし、そこで彼が積極的に虚偽の物語を語り出す、というのも大変愉快。見た当時はフィクションの意味なんかを今みたいな精度では考えたことがなかったので、改めて今見ると大変新鮮な内容でございました。