ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

トゥルー・ストーリー

 

トゥルー・ストーリー (字幕版)
 

そんなにピンとこない映画だなあ。

多分冒頭のテディベア一発で事件の真相を知りたいという欲求を喚起しなきゃならない構造なんだと思うけど、興味をそそる情報が足りなすぎて犯人に全く興味が湧かなかった。推理のヒントがだいぶ薄いのもあったけれども、真実はこうであって欲しいとか推理する気が全然起きなかったんだよなー。受け手の「この映画のストーリーはかくあるべきである」という期待を手玉にとって、虚実の狭間をウロウロしなきゃならないはずなのにねえ。ある種のどんでん返しのはずである犯人の独白も、「フーン」ってな感じで大層どうでもよかった。本当にどうでもよかった。

映画は丁寧に記者と犯人の関係を描いてて、それはまあ確かに奇妙に引きつけられる間柄ではあるけれども、そもそも記者の方に全然共感できなかったのもでかいかなー? 「自分もその立場だったらこういうことをしたかもしれない」という感情を持たせて始めて、記者と同じ観察者の立場から空白の物語を埋めていく作業をしたり、それと並列して自分を正当化する気持ちになったり、そういう創りになってるんじゃないかしら? ちがう?

犯人のウィンクが作者自身に跳ね返ってくるのも、あーはいはいそういう構造になってますよねーとは思うけれども、昨今話題になる真実をめぐる物語なのであれば、やはり視聴者自身も映画から物語を読み取っていることを問題としても良かったんじゃないかしらねえ、と思いました。