ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ゴルディアスの結び目

 

ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

ゴルディアスの結び目 (角川文庫)

  • 作者:小松 左京
  • 発売日: 2019/03/25
  • メディア: Kindle版
 

こないだ見た「小松左京アニメ劇場」があまりにイメージが違っていて、うーん小松左京ってこんなテイストだっけ? と思って読み返したんだけれどもやっぱ全然ちげーよね。この作家をあのくらいのスケール感でアニメ化するのってなんか全く動機がわかんねーなー。まあ改めて言うまでもないけれども、大作映画がたくさん撮られたのも納得って感じの作風だよね。

まあしかし改めて時代を感じるというか、ドラッグカルチャー満載のSFだよなー。ニューエイジ! なの? よくわかってないんだけど。まあ内面世界精神世界を宇宙と結びつける感じの大変私的な感触のある作品ではあって、しかしここまで振り切っちゃえるのはすごいよなーと思う。解説かなんかにもあったけど極北感があるよなー。今日本のエンタメにSF的なあれやこれやは自然と混ざっちゃってるとは思うんだけれども、ここまで内面世界に踏み込んだものってあんまり見ないから逆に新鮮よねー。

しかし最初の孤島の描写にもいちいち「うーん美しいなー」って唸らされたけれども、後半の短編、で物語や比喩に関わる考察がなされているのもなかなか楽しかった。まあマクロのストーリーを追っていくとき、ミクロ視点の「物語の意味」みたいなところが問題として立ち上がっていくのは大変よろしいよなー。セックスと命の関係なんかもああやって描写されたことがないのでハッとしますわ。面白かった。