コンテがノンクレジット!? マジで!? ヒッチコックの「サイコ」のソウル・バスのコンテがあんなに持ち上げられてるのに!? 嘘でしょ!! とビックリこきながら見始めた映画だったんだけれども、いやはや大変面白かったです。序盤はいちいちキメキメのハロルドの絵コンテに驚嘆していたわけだけれども、後半はリリアンのリサーチャーとしての腕に舌を巻く感じだよねえ。中盤以降ハロルドのコンテに対する言及が少なくなっていくのはちょっとさびしかったぜ……
コンテにはレンズの知識が必要なことが再三触れられていて、なるほどそういうものなのかとすげえ納得した。自分も少しくらいカメラは触るけれども、50ミリだとどの絵が撮れるとか全然イメージが湧かないもんなあ。アニメなんかと違って大きな嘘はつけないからなあ。遠近法を爆撃機で体得した……っていうのはホントかよ!? と思うけど。
そして後半リリアンのドラマ、ひとつのライブラリが時代と共にどのような変遷を辿っていくのか、というのも大変面白かった。映画史上明らかに重要なライブラリでも、やはりその継続には苦労するんだろうなあ。コッポラ・スピルバーグみたいな映画をAIする人間がその存続に力を貸す当たりの展開も大変良かった。
しかしまあこの副題が示すように、ハリウッドの仕事の話を追いかけながらも、根本的にはふたりのラブストーリーなのが本当に良いですね。いやはや、素晴らしいなあ。