ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

A2

 

続いてA2。

前作とは打って変わって、個人ではなくてオウムが各地の住民と起こす軋轢やその周囲の出来事を追う内容。相変わらず面白いが、まあ前作よりはちょっと散漫とした印象もなくはない……ってかこれ以降、A3って一体なにをやってるんだろう。興味があるのでとりあえずポチった。

一番面白いのはやはり地域住民と仲良くなってしまった土地で、あそこでこちら側に突きつけられる違和感がめっちゃ強烈。我々は映像作品を通して、異なる価値観を持った人間がお互いに歩み寄りわかり合うというインスタントな物語構造にどれだけ共感を寄せるように刷り込まれているのかを思い知らされて、ひたすら困惑する。もちろん監督はその危険性をわかっているから、最後にわざわざ麻原の顔写真が入った冊子を手渡すところをきっちり編集に残しているのだろうけれども、いやー、強烈ですね。

警察の制止を押し切ってオウムの関係者として会場に入ったかと思えば、ヌルッと右翼の街宣車に乗ってみたり、いやー、相変わらずこの人の存在は面白いなーという感じ。そういうふうに様々な立場と様々な場所を縦横無尽に行き来しながら、複雑な問題を複雑なままにお出しされるのはまあさすがだよなーと思いました。宗教法人が精神障害者を拒否しない、ってところをきっちり収めていたりねえ。いやー、やっぱりこの監督のドキュメンタリーは面白いわ。