うーん微妙だなー。このシリーズ、横溝正史ってことで戦争と家柄の悲劇みたいなのが背後に敷かれているけれども、今回のはかなりその因縁がピンとこないというか……事件や謎のビジュアルインパクトはまあまああるけれども、それがあまり機能しているようにも思えないしなあ……途中、金田一が岩手に行くパートも、まあ役者ががんばって変な感じに見せてはいるけれども、そこで映画的な転換があったりするようには見えないのもキツいなあ……
ヒロインの桜田淳子も「いくら何でも化粧濃すぎでしょ!」って感じのツッコミが先に出ちゃうのがどうも……いや、あのパッツン黒髪キャラは絶対好きなタイプなんだけれども、あんまり魅力的には見えなかったのがなあ……
そういういまいちピンとこない映画の中で、なんかよくわからない助手がやってくるのがとても面白いですね。金田一もコメディな芝居は多々やっているけれども、この滑舌の悪い助手君のコミックリリーフ的な動きはやはりホッとします。
しかし物語を括る横溝正史(本人)はどうしたって笑ってしまうなあ。ま、趣向としてはこのくらい力が抜けていてもいいパートなんだろうけれども、芝居の大根っぷりが大サービスで娯楽映画だなーと思いましたとさ。