ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

渡邉恒雄 メディアと権力

 

 

野中広務の本が面白かったから、同じ作者の渡邉恒雄の本を読み進めた。ちょうどNHKでナベツネのドキュメンタリーを見たのもあって、まあ大変興味深い。

NHKのドキュメンタリーは本人へのインタビューを軸にして掘っていたのもあって、どちらかというと政治の中枢でナベツネがフィクサーとして活躍したのかを追っていたのだけれども、こっちの本は権力闘争でナベツネがどのように立ち回ったのか、みたいなところに焦点が当たっていて面白い。NHKだと序盤の共産党との関わりを主に思想面を軸に語っていたけれども、この本で深く掘られているのは戦後の東大の共産党の内ゲバで渡邉恒雄がどんな知見を得たのか、みたいなところだからなあ……

あとジャーナリズムに関しての距離感みたいなのはめちゃくちゃ興味深く、NHKは渡邉恒雄の思想みたいなのをある程度ヨイショしていたところはあると思うんだけれども、あれって本質的に「政治とジャーナリズムの癒着」という劇的にやべー体質に目を瞑っていたわけだよね。まあオレも、この本を読んでやっと気付かされたわけだけれども……後半で渡邉恒雄が読売新聞社内での権力を掌握して行くにつれ、ジャーナリズムの本質みたいなのが問われていく展開は、うおーこれやべーなーと認識を大きく改めましたよ。でもなあ、そういう意味では日本の報道を象徴する人物、っていうことなんだろうなあ……