いやあ、これ頭の「ゲゲゲの鬼太郎」のエピソードの解説だけでも読む価値あるっていうか……めちゃくちゃ面白いですね……
自分の感覚だと、アニメと戦争って思いっきり断絶されていてる……というか、アニメという媒体を使って現実を語ろうとするアプローチって、全然合った感じがしないんですよ。『パトレイバー2』がそういうことやろうとしていたのは分かるんだけれども、正直PKOとか戦争ってニュースの中の出来事で、自分たちの生活と直接接続されている感じがしなかったというか。あの時代だったらまだオウムとか阪神大震災とかもあったけれども、それが直接自分たちの人生の補助線になるような経験はないというか、311の出来事だってもうちょっとアニメに影響を及ぼしてていいとは思うんだけれども、そういう感じにはあまりならなかったというか……というか、アニメだけじゃなくて映画も含めて、日本のフィクションにそういうものが少なすぎだよね。そういう意味で「この世界の片隅に」の立ち位置はやっぱり特殊で、この本の最後を締めるに相応しい作品なんだよな……
あとはやっぱりガンダムで大きく時代が転換したんだなーというのは、ベタだけれども大変納得のいく話だよね。そのナガレデイクとエヴァが触れられていない点はちょっと難しい問題だなーとは思った。アレだけでかくてしかもそれまでのロボットアニメの歴史を受け継いでいるものに、明確な位置づけが与えられないのはなんかちょっと変だなーって感じがする。