ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

日本のデザイン――美意識がつくる未来

 

おーなるほどーそういうふうにデザインの未来を語るのかーとなかなか目からウロコのことが多かった。単なる抽象論では全然なくて、日本が世界の中でどのようなポジションをとっていて、ならばどのような未来が有り得るかという内容がかなり説得力をもって描かれていてうーん説得力あるなーと思った。

「シンプル」という概念が肯定的に語られたのが結構最近という指摘からだけでも大変学びがあったなーと思う。あと日本の茶の湯みたいなやつが「エンプティ」というが全く違った概念であるというのも納得だなー。そこら辺の見立ては納得感もデカいし最高に面白かったです。

一方で、公共性であるとか哲学的思想のバックグラウンドとか、そういうところには基本的にそんなに触れられていないのがいかにも日本という国って感じだなーとは思った。とにかくものベースでそこからその背景の思想を読み取っていく、みたいなボトムアップ式の解説で、そういう意味ではキリスト教的ヨーロッパ的な世界観ってトップダウンであるのだなーみたいに雑な感想も抱いた。もちろんデザイナーだからボトムアップの言葉でも説得力はあるのだけれども、政治とか国家とかそういうレベルまでこの論法で迫ることは難しいんじゃないかなーみたいに大袈裟なことも少し思った。