ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

自画像のゆくえ

 

自画像のゆくえ (光文社新書)

自画像のゆくえ (光文社新書)

  • 作者:森村 泰昌
  • 発売日: 2019/10/25
  • メディア: Kindle版
 

読み始めてから、森村泰昌って有名絵画を真似たセルフポートレートを撮っている人だってことに気付く。いやー、なにがきっかけでこの本を買ったのかは本当に覚えてないのだけれども、芸術家自身の書いた本であることをもう少し早くに気付けたらなあ。人物にとって知りたいというよりは、むしろ絵画の歴史を学びながら自画像が持つ意味の探求を見たかった、みたいなところが大きかったので……

ここまで作者の個性に惹きつけられると、だいぶ普遍性が減じられる感じがしてうーん、という感じ。さらにこれ作者の立ち位置もあって、それを読み解く私語りみたいな感じになっていて、あーこれ自分が読みたかった本とは結構ズレてるな……と。思い込みによる推理を客観的に同意がとれるような口調で描写されると、あー芸術家をやっている人の本だなあ、と。

もちろん本人は色々文献も当たっているのだろうけれども、前提となる知識がないと結構危ういなーという感じがしたのでちょっと順番間違いましたね。いまだに宗教画とか歴史画とか風景画とかの序列みたいなのがイマイチピンときていないので。

最終章で作者がさらに色濃く自分語りをしているけれども、まあそこら辺の経緯も含めて、そりゃあ実践的な解釈になるよなーと思うので、まあ普通に自分が間違ってこの本を読んだってことなんですけれども。いやほんと、未確定なところに強烈な自我と解釈をブチ込んで作品にするのが作家の仕事ですからねー。