ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 タルマーリー発、新しい働き方と暮らし

 

なるほどー。スピリチュアルでネイチャーな生活をしている人の思考回路は、こういう流れで普遍性のない特殊な生存者バイアスのかかった論を人生の指針としていくのだなーという意味で大変ためになった。恐らく原因は人間の物語を語りたい力の強さに起因していて、直感で全く関係ない事物に因果を結び、それが一度成功体験となってしまうと、それが普遍性のある物語であると認識してしまうんだろーなー。ここで騙られる資本主義やマルクスのあり方はさすがに監修入ってるよねえ。これだけナチュラルにスピリチュアルな記述の入った本で思想を紹介するのはまじでこえーと思う。

あと、あとがきで確認できたのは「ビールで経営が安定した=それまでは不安を抱えていた」という点で、それまでにその「経済的な不安」を押し隠して著述していたのは全くフェアな態度ではないよね。余剰の利益ってなにか突発的な出費が必要になったときのために必要なもので、その不安を圧し殺して行動できるのはこの著者みたいにちょっと頭のネジが外れていてしかも側に理解者がいるときに限られるでしょう。普通の人間がその不安を圧し殺して過剰な利益を生まない腐る経済を実践、とか言われても絶対無理。

というような点を噛み締めておりましたので、この本の内容に賛同するかはともかく、大変興味深いサンプルとして読み進めることができました。まあ別に実践を通して何か新しいモデルを作る人って、そもそも論理的に正しい必要は全くないもんなー。(経済の姿を変えたいなら、普遍性は必要になるだろうけど)