『パラダイス・アーミー』の訓練パートが余りにもコメディって感じだったので思わず見直してしまった。久々。
キューブリックは好きだけど、今見てみると「こんなに情報量なかったっけ?」という感じがする。まあ人間の内面を映すドラマだから必然なのだろうけれども、前半の訓練パートは本当に徹底して人の顔を映しているなーという感じ。普通だったらもっと気が抜けた絵を用意すると思うんだけど、人間の表情のアップカットとドリー? ステディカム? で前後に移動する気合いの入ったカットと美しい訓練パートの印象的なカットがひたすらに繰り返される。音楽も最小限で本当にストイックな映像になっているんだなあ。
後半は何度観ても、進路を変えて前進のフレームイン・アウトが繰り返されるアレと、ほの暗い煙幕の中燃える炎の光を反射させながら前進のステディカムが、まあたまらんですね。丸い二重フレームの微速前進からのカウボーイとの再会とかも結構印象に残る。
改めて見ると、ストーリーがもう少し色々あっても良いんじゃない? とか思わなくはないけれども、まあでもこれだけたっぷり見られれば別に全然いいかあ、とも思うのはやっぱり映像の強度なんだろうなあ。ふつーに繰り返しもう一度見られる感じがします。ほんとなんなんだろうなあ、これ。