ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

 

 『ドローン・オブ・ウォー』は日々の繰り返しの映画でありましたが、こっちは1回ポッキリのシチュエーションを気合い入れて描いた作品でありますね。当然全然見所も違ってきていて、この映画は凄まじくドラマチックにフィクショナルにテーマをガツンと見せるつくりになる、と。こういう題材をこういう手つきで描くことの是非はあるかもしれないけど、基本的には面白い問題提起だなーという感じで好感が持てました。

しかしまあ、シビリアン・コントロールって難しいもんですねー。この作品のつくりからすると、「なんで目の前のテロリストを殺せないの!?」というところに意識が行きがちで、視聴者の意識もわりと「子供がいるから」以外の抑止力ってないつくりなんだけれども、じゃあ子供がいない状態ならノリノリでミサイル打ち込んでいいんですか? みたいな風には思ってしまう。ぶっちゃけイギリスの国内にいたら同盟国がどーとか別に関係ないでしょ。テロリスト殺せ! みたいな。

そうそうイギリスが主体になってるのも面白いところだよなー。アメリカが対比されて「なんも問題ないからミサイル早撃て」って急かすのには爆笑したけど。イギリス的には自国のことをこういう風に認識してるってこと? いやあそれはそれで大変興味深いところでありますね。

しかし最後にいかにもヒューマニストな政治家を愚かに描いた後、軍人が超正論で論破しちゃう流れはずいぶん冷めたなあ。っつかその程度の意識が天秤に乗ってない人をストローマンにして描かれても、作意に冷めるだけでしょーが。