な、なんて力強い作品なんだ……いや、まさかこんなトーンで製作された作品のラストがあんなザ・SF展開になるとは思わず大変ビックらこきました。冒頭から国際スパイ的な枠組みを使ってこのくらいの時代なら以下にもやりそうな正攻法のアクションで緊張感を高められるものだから、全くの不意打ちを食らった感じ。まあありがちと言えばありがちなアイディアではあるのだろうけれども、それをこうも真面目に描かれるとはねえ……「ナチスってホントにそんなにヤバかったの?」「いやあしかしヤバかったのかもしれないなあ」なんて思ってしまうあたりどーなのよ。ナイーブなモチーフであることはわかるけど、改めて振り返るに映画のナチスって色々ありすぎでしょ。
色々あって陰謀が明らかになっていくのはドストレートなエンタメで、しかもその大仰な仕掛けの決着が年寄り名優どうしの組んずほぐれつからの犬アタックというバランス感覚が大変楽しい。ラストのちょっとしたどんでん返しも含めて、そうやって落とすの!? と大変感心してしまう感じ。
しかし振り返るとなんか最近フランクリン・J・シャフナーの映画を立て続けに観ているなあ。どの作品も演出はワリとストイックだけれども、しかしなんか謎のインパクトが残ることが多いなあ。実は好きかもしれないこういう監督。