のっけからなかなかチャーミングな入りで、モキュメンタリー形式って色々見てきたけどこういうフィクションであることを強烈に意識させるやり方もありなんだなー。モキュメンタリーとして虚構/現実の間で何かしらやると言うよりは、異なる世界を垣間見るドキュメンタリーという「パロディ」を行っているって認識なんだろうけどね。まあそれにしたってすげー気が利いていて、いちいちヴァンパイアのルールを律儀に守って生活を語っていく映像に釘付け。6月の6時とかまだ外に出ちゃ危ないじゃん! とか本気で心配しちゃいましたがニュージーランドは南半球だから全然余裕か。
しかしこのフィクションとノンフィクションのさじ加減が絶妙で、途中自分すっかりカメラクルーのことを忘れていた。ダンスパーティーでは面食らっちゃったし満月ドタバタでは大変ビックリした。モンスターならカメラ構えられててもまあ普通かとかなんとなく思わせちゃうのズルい。
という感じでだいぶ掴みはオッケーで、んじゃあそこで何を語るの? という問題にタダの人間の友人で答えたのには爆笑した。なんでその展開にしようと思ったのかマジで謎。だがその謎さが奇妙なリアリティになっているよなー、とか思ってたら突然劇的にワーッとやってガーッとなってハッピーエンドでついでに想い人の伏線も雑に回収。いやー、チャーミング。それが許される特異な時空を発生させた時点で大勝利だよなあ。