ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

デッドクリフ

 

デッドクリフ(字幕版)
 

低予算のためにどうやってスケールを小さくするのか、というのはこういうワンアイディア映画での重要な関門だけど、それを鉄の山道で成立させてしまうというのが面白い。「ヴィア・フェラータ」っていうのかしら? 世界遺産ドロミーティの回でこういう移動法が観光地になっている、みたいな話を聞いたなあ、なんて思いながら。

ということで前半はたっぷり「ヴィア・フェラータ」を見せつつも緊張感を高めていく話になっていて、ベタベタな三角関係をベースに含んだ山登りはまあ有無を言わせぬ引力があるよね。落下する恐怖はまさにサスペンスだよなー、なんて思いながらなかなか楽しい。

が、後半になって悪人が出てきてからの展開はどうも微妙。それまで楽しかったヴィア・フェラータの要素が全く無くなって、罠を仕掛けた狩人との対決になってしまって、それもう普通の遭難ものと変わんないよね。輪をかけてきついのが敵のキャラの立てられなさで、特徴がないとか恐怖感がないとかそれ以前に基本的に弱そう。というか実際大して強くなくて、アレふつうに待ち伏せたら勝てそうだよね。挙げ句炎天下でガチで殴り合ったりしちゃって、クライマックスシーンにもかかわらず、思わず大爆笑してしまいました。あんな悪役みたことないでしょ。