もう全力でハンナ押しの映画であり、もうハンナの美しい顔のアップが撮れてればもう他に何でもイイじゃん! と言わんがばかりのカメラに、うーんたしかにそうかもなーと説得されかける。面白施設の愉快ライティングや戦闘シーンの長回しなど、きちんと見せるシーンにはそれなりに力のある映像が用意されていてそこら辺は嫌いじゃない。
がしかし、このストーリーはどうなんすかね。スパイ設定を背景に思わせぶりに始めておきながら、この話の流れのどうでもよさはちょっとひどいと思う。ハンナが自分の出生の秘密だの何だのにショックを受けるのもワリとどうでもよく、ラストが全然カタルシスにもなってなく、見終えて「この2時間は何だったんだろう?」と自問自答し始めてしまった。素敵な役者を題材に素敵な映像を繋いでいるからこそ、お話ももうちょっとがんばって欲しかったなあ。