おすすめ度の平均:
アメリカの麻薬問題の深刻さがよくわかる臨場感あふれる、バイオレンスアクション
見応え充分の社会派ドラマ
よくできたフィクションドキュメンタリーって感じでしょうか
これぞ名作
様々な視点からアメリカの麻薬問題を描く。
平行して描かれる視点はほとんど絡み合うことなく、ただ映画のある一点で交錯するのみ。だがこの映画の狙ったところは、そういった脚本的技巧ではなく、かけ離れたように見えるそれぞれの世界が、しかし確かに繋がっているというところとしてみれば、このくらいのさじ加減がちょうどなのだろうと感じた。
映画は悪を断罪しないまま終わる。麻薬問題という現実に根ざした物語である以上、勧善懲悪になり得ないのは当然だ。
「家族とは戦えない」。理屈ではなく現実であり、家族は社会の縮図でもある。麻薬問題は善悪で割り切れるものではなく、かといって社会が現にこうして機能している以上、それを変えるのは何なのか?
ある家族の形を通じて(あるいは少年の野球の姿を通じて)未来の希望への提言をするように終わる映画の着地点は、やはり心地良い物に感じた。