ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ベトナム戦争の記録: シーズン1: 慣れと実感 (1967年7月〜1967年12月)

www.netflix.com

序盤に「テト攻勢!? テト攻勢なの!?」とビビらせてからの焦らしプレイ。まさかこんなにたっぷり焦らされるとは思わなかったよ。っつーかこれが半年の出来事なのね。退屈、というわけじゃないけれども、さすがに展開がなくてウームという感じ。

デトロイト」でやってた暴動が起こったのもこのタイミングなのね。確かにベトナム帰還兵がいたっけ。いやー、当たり前だけれどもこのタイミングで色々起こりすぎていてちょっとビックリする。こういうタイミングでヒッピーまで出てきちゃったからなー。いやー、凄く濃密な時間だよなあ……

あとロバート・マクナマラについて超興味が湧いてくる。これまではなんとなーく判断を誤った悪者的見え方がどーしてもしてしまったんだけれども、この話を見ると情報分析を誤ったリーダーシップのある人物、に、見えなくもない。まあ政治ってのは当然善悪で割りきるものじゃないのはわかってるけど。ってか組織に「なんでそれを報告しなかったんだ?」「聞かれなかったからです」は群体方式の典型だよなあ。組織ってのはそういうことがありうることを念頭につくらなきゃならないワケか。

あとシリーズ全般に言えることですが、挿入歌がちょっと豪華すぎてアレですね。おれでも知ってる曲がガンガン流れて、うーんゴージャス!

ベトナム戦争の記録: シーズン1: 強い意志 (1966年1月〜1967年6月)

www.netflix.com

うーん、皮肉なタイトル……

前回も結構ズブズブにベトナム戦争の泥沼に入っていったわけだけれども、それがどんどんエスカレートして引き際もなく……うーん、この展開の知ってた感は結構しんどいなー。

とりあえず海兵隊の丸刈りシーンにはフルメタルジャケットを思い出さざるを得ないわけですけれど、訓練シーン含めてこういうモチーフを映画として映して説得力あるのはやっぱすげーなーと思った。なんだかんだ空撮で爆弾ボーン! と落とすと映像的な迫力って出ちゃうわけでよね。低いカメラで田んぼの上低空飛行するだけでもかなり迫力ある。一方ジャングルの中って、どんな映画を見ていてもなかなか映像的な迫力だすの難しいなーという感覚があって、だからフルメタルジャケットは市街戦なのかなーとかも思ったりした。まーあんまり関係ない。

あとキング牧師が出てくると「おーっ」ってなりますね。あーそうかー公民権運動が会った後だから、表立って批判しづらかったのね。そして育児書のスポック博士が出てきて、フェミニズムとの関係もちょっと気になってくるのであった。あと「国が嫌なら出て行け」という愛国者のテンプレっぽい文言も、普遍的なものなんだなーとか。やっぱりベトナム戦争そのものと言うよりも、国内での人権運動との微妙な関係の方に興味が向いちゃいますねー。

 

 

ベトナム戦争の記録: シーズン1: 引き返せない地点 (1964年1月?1965年12月)?

www.netflix.com

リンドン・ジョンソンがきたー! 国内では重要法案をガシガシ通してうおーこのひとすげーなーと思わされるリンドン・ジョンソンですが、外交というかベトナム戦争絡みの行動はもう全く褒められたものじゃないのねー。映画を見るとどうしても公民権運動とかの絡みが多くなってしまうので、見え方が全然変わるなー。

あとこういうときに言われる国内では反戦運動が盛り上がって兵士が迫害される感じになる空気もまーよくわかる。演説に空爆の映像が重なるあのシーンは、インタビューでも言ってたけど正しく「シュール」って感じだよなあ。

しかしドキュメンタリーの内容としては、ズルズルズルズルベトナム戦争に巻き込まれていく様を、現地のひでー戦闘を並べながら解説していくだけで、けっこーしんどい。そのしんどさがいかにもベトナム戦争、って感じではあるけれども、IFストーンの話でデカデカとやってたなーって感じのトンキン湾の話とかも「え? それだけ?」って感じでスルーされてしまってオイオイオイとなった。ここら辺からは、もうちょっときちんとした副読本とかが合った方が理解が進む感じなのかしら……?

ベトナム戦争の記録: シーズン1: 虎に乗る者 (1961年?1963年)?

www.netflix.com

ケネディの時代に突入。

考えてみりゃ当たり前だけれども、あーそうかー反共の時代だったんだなーって感じ。今まで映画なんかで触れてきたケネディが、どっちかっていうと公民権運動とかの関わりで捉えられることが多かったんだけれど、それって民族自決と別に対立しないはずで、なんかしっくり来ないなーと思ってた。けどまあドミノ理論に対抗して反共の時代、という点を軽視しすぎていたんだなー。あくまでアメリカは民主主義の旗を掲げていたわけで、そこにアンビバレンツがあったと……いやまあ理屈の上ではわかっていたはずのことなんだけれども、今更ようやく腹落ちしましたよ。

これまでいまいち代理戦争というのが実感湧かなかったんだけれども、あーなるほどこういうことかーという感じ。今NHKスペシャルでなぜかやってたケネディ暗殺のドキュメンタリーも並列してみているんだけれども、なるほどなるほどケネディの多義性はアメリカという国を理解するときに避けて通れないわけだよなーとめちゃくちゃ納得している。

いやまあしかしホントアメリカの歴史おもしれーな。そしてその後ろ側に日本の戦後の姿がちらっと透けるのもちょー面白い。いやはやいやはや。さっさと続きも見よう。

ベトナム戦争の記録: シーズン1: デジャヴ (1858年〜1961年)

www.netflix.com

最後に出てきた「ティム・オブライエン」って、『本当の戦争の話をしよう』の作者だよね。突然出てきたから「!?」となったよ。

ってことでなんだかんだベトナム戦争関連の映画や小説なんかは読んでいるんだけれども、全体の流れみたいなのはいまいちよくわかってなかったのでシリーズで学ぶかーと思って見始めた。60年代のアメリカについてはさすがになんとなーく流れがわかってきたんで、関連知識があると頭に残りやすいかなーというのもある。

で、とりあえずこの回はベトナム戦争前史というか、第二次世界大戦が終わってホーチミンがフランスに対抗するあたりを厚くやっているわけだけれども、あーなるほど今見ると全然見え方が違うわねー。港湾労働者が左翼ってのはあーそうかーそういう流れなのねーって感じ。朝鮮戦争とかドミノ理論とか、まあ一応教科書レベルでは知っていたつもりだけれども、うーんなるほどそういう流れなのかーってのがようやく腑に落ちたなあ。あとGHQの占領政策を一応一通り当たったのも結構大きい。そうかアメリカは極東に民主主義を植え付けたという自負があったんだよなー。今、この状況で見るともーちょいちゃんと考えるべきだったと思うけどなー民主主義。

あとケネディって当たり前だけどキーパーソンなんだなあと思った。民族自決を後押しする立場でありながら、なんでベトナム戦争にズブズブ……と思ったんだけれども、そりゃまあ普通に反共の立場からであるのよね。いやー、共産主義への拒絶反応は、やっぱりめちゃくちゃ凄かったんだろうなあ。まあキューバ危機とか起こされる位だからしょーがないのだろうとは思うけど、なるほどなあ。

スプライス

 

スプライス(字幕版)

スプライス(字幕版)

  • 発売日: 2016/04/28
  • メディア: Prime Video
 

キューブの監督かー。

いやー、あの赤ん坊がどんどん人間っぽい外見になって言っちゃうのはちょっと興醒めだよなー。顔の側面についている目が、オトナになるにつれてギリギリ離れ目かな……という位置になっちゃうのはマジで良くないと思う。あんなの性的魅力を感じて然るべきじゃん。あれだけクレイジーなカップルなんだから、こちらの感情移入なんて遥か置き去りにして変態的な性欲を得るところを描いちゃえば良いんだよ。そもそもあのふたりに感情移入なんてできっこないんだから。

いやー、クリーチャーの子育てなんだからもうちょっと感情移入させなきゃいけないヤツだと思うんだよねー。なんでこんなに「どうでもいいよ!」という感覚に陥ってしまうのだろーか。結局擬似の母子の関係が「遺伝子」で説明できちゃうようなストーリーのつくりをしているからかなあ。

ヒロインの家族へのスタンスが、なんかこうすげーびみょーで、いやそのテーマを描くんだったらもうちょっとこうやりようがあるんじゃないの? とは思う。「エイリアン」の12は本当に良くできてたんだなーと思いました。

リプハーゲン: オランダ史上最悪の戦犯

www.netflix.com

なかなか上手く振る舞うもんだなーと感心する。とっさの機転でそこまでできるのか-やるなーという感じ。途中までのサスペンスが目一杯引っ張りまくったから、あのオチの展開はやっぱりズシンとくるよなー。あそこらへんは見所たっぷりという感じでございます。いやはやなかなか。

まーしかし他人をコントロールするという意味ではうーんそこまでコントロールしてる感じなのかしら? という気もする。確かにいやなヤツだけれども、見た目は一応善人で、だから単に他者をコントロールする術を身につけて実利を得ている人、というかんじではあるよなー。ほんものの邪悪な存在ってのは、多分そういうコントロールを意識せずに意味もなくやっていて、自分が邪悪であることを隠しもしないし、善悪を越えたところで他者をコントロールする存在だよなー。リプハーゲンは最後まで妻に善人であるように振る舞おうとしたし、うーんなんだかんだ常識人! という感じ。

にしてもオランダの状況がちょっとよくわからんぜ。連合国がやってきて一体ドイツとの関係がどーなったのであろーか。ナチスの協力者という立場だったから、サクッと状況は変わらなかったってことなのかしら……