ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

反省させると犯罪者になります

 

これ完璧に「有害な男性性」の話だよなあ。この本が出た10年後くらいにオレ、ようやくそういうものが作品のテーマとして取り上げられ得ることに気づいたわけだけれども。そういう意味ではフィクションがこういう問題をわかりやすい形で共有するのはすごく大事なことなんだろうなあと思った。

書いてあることはかなりベーシックで、今見るとちょっと基本的すぎるかな? という感じのところもある。繰り返し似たようなことが書いてあって、それだけこの概念を定着させるのが難しかったんだろうなあという気がする。今見ると本当に当たり前のことなんだけれどもね……という感じ。

少し気になったのは「自分が弱い人間である」ということを殊更に批判していることかなあ。安易な自己認識は自己肯定感を損ねるという理屈もわからんではないんだけれども、重要なのって弱い人間である自分をありのままに受け入れることだから、そこは意固地に否定してもしょうがないんじゃないかなあと思う。

んー、でも改めて考えてみると、レッテルを貼って安易な物語に落とし込むことを避けて、ありのままの自分と向き合うためにはどうすれば良いかって取り組みだよなあ。自分を大事にできなければ他人を大事にできない……みたいな話も取り上げられていたけれども、それと同じで、安易に他者をレッテル張りして貶めるような振る舞いは、自分を安易にカテゴライズして思考停止しちゃうんだろうな。そういう意味では、犯罪者って括りだけじゃなく、広く一般に世の中で起こってる問題に通じてる話ではあるよなあ。