これまで見てきた異世界転生ものでは一番面白かった。というか、コミュニケーションのストレスが一番少なかった。やっぱチート的な能力を持っている主人公が、世界との関わり方を問い直されるときに、能力の無さが言い訳にならない分だけ、そこで問題になるのは純粋なコミュニケーション能力なんだよな。そしてその純粋なコミュニケーション能力というのは、作者・作り手側の価値観によってその優劣が示されるわけで、そこがしんどい作品はしんどいよなー。
でまあ、この作品はそこら辺がそんなにストレスなくて良い。まあそもそも、配置しているキャラクターがみな言いヤツすぎるというか、ストレスを溜めさせる仕組みになってない構造ではあるのだろうけど。ストレスの溜めさせなさでいえば、もう痛覚すら奪ってしまったのはすごいよなあ。痛覚のような根源的な共感さえ必要ないというのは正直ビビる。で、強敵の描き方が巧みというのもあるのだろうけれども、実際主人公が苦しむシーンがなくても、まあちゃんと納得できる展開になってるんだもんなあ。
評判になってるだけのことはあると思いました。