ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ベイビー・ブローカー

 

いやまあ、そりゃあカンヌでスタンディングオベーションって感じだよなあ……良くできてる。ほんと良くできてるよ。是枝監督の作品、見たのは全部好きだけれども、これ、脚本としてひとつ抜けてるって感じがするよなあ。サスペンスとしての緊張感がありながらも、人間ドラマとしてここまで作り込まれていると、本当に素晴らしいとしか言いようがないというか……

っていうか、こんなに複雑な設定をスルッと理解させつつ、それぞれの行為が一体何の象徴であるのかをバッチリ語るOPからしてほんとすごすぎるよなあ。脚本の密度がハンパないよ、やっぱり。

あと、観覧車のシーンなんかはいかにも映画的! という感じだけれども、とにかくそういう印象に残る絵作りがたくさんされていてとても良い。誕生を言祝ぐシーンとかも、あの子どもが最後に起こすミラクルなんかも含めて、いやー本当に最高としか言いようがないよなあ。よくもまあ、こんな脚本書けたもんだよ、ホントに。

追跡者側との二重のドラマになってるあたりのボタンの描写とかを通じて、ジェンダーを通した問題の捻れなんかを描写してたり、そもそもの問題が貧困だったり、いやー、このタイミングでこの映画を撮れるのって本当に適切なことよねえ。本当に素晴らしい作品でしたよ、はい。