ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

フェルナンド・ボテロ 豊満な人生

 

街中を歩いてたらこの人の彫刻があって「なんじゃこら?」ってビックリしたんだけれども、コレだけ有名な人だったのね。そして街中の彫刻に驚かされるのがむしろこの作家に対する普通のリアクションだったこともわかって安心する。考えてみれば街を歩いていて彫刻に意識を引っ張られるなんてほとんど記憶がないし、大衆に受けるってのにもだいぶ説得力があるよなあ。

ドキュメンタリーとしてはそこまで工夫があるようにも思えなくて、普通にボテロの障害を追いかけていった感じだけれども、それでもちゃんと面白く見られたのは何でだろうなあ。純粋に作品の力で、「作者はどんな人なんだろう?」って興味が引き立てられた、というのはあるのかもしれない。

それにしても、若い頃からいろいろな技法・スタイルを試して身につけていた、というのが一番ビックリしたなあ。若い頃から今のイメージが完成していたわけじゃないのはまあ言われてみれば当然なんだけれども……コレだけインパクトのある画風でも、様々な試行錯誤を経た末に辿り着くものなのだな。

あとまあ、後半にアブグレイブ刑務所の連作だのテロ事件へのリアクションだのがあったのも大変良かった。ピカソのゲルニカが例に挙げられていたけれども、ちゃんとそういう形で歴史や社会に対してポジションを明確にしているのは、あーうんやっぱりちゃんとした人なんだなあと思いました。