うーんこれようわからんな……
身分差によって悲恋が起こる話を、黒人女性主人公に行うなら、人種やジェンダーの問題がどのように編み込まれているのかを見るのが普通だと思うんだけれども、そこら辺が結構サックリスルーされているこのストーリーは、なんか能天気すぎやしませんかね……? 海から上がった人魚が、コルセットやハイヒールと行った、地上の女性が縛り付けられているジェンダー規範に嫌悪感を抱くところも、あれって自由な海と不自由な陸という対立を作れば上手くストーリーに織り込めると思うんだけれども、そういうことも全然しないんだもんなあ。ビックリしちゃったよ。
そもそも、海・人魚と人間の対立が、単なる「勘違い」で起こっていた、だからなあなあで問題解決! みたいなラストって、いやー全く納得いかないですよね。OPの残酷な人魚殺しはまあ百歩譲って勘違いとして、陸の人間はカニとかを食用として獲っちゃうわけじゃないですか。カニとか魚とかと話して親友の人魚が、そんな人間とわかりあえるかっつーと、根本的に無理なんじゃないですかね? 人魚と人間の対立って、そういう「根本的に絶対にわかり合えないもの」として置かれてるべきなのでは?
もちろん、子ども向けのストーリーでそれを成立させるのが難しいのはわからんでもないけれども、魔女を悪者にしてソイツを倒したらなんとなくハッピーエンド、みたいなオチはさすがにどーかと思いました。