シドニー・ルメットの激シブの演出に、リバー・フェニックスの良さがバッチリマッチしている感じであるな。いやー、自分の立場を隠したまま引っ越しの連続で思春期を送るリバー・フェニックスにピアノを弾かせるとか、いやまあ数え役満でヤリすぎ! と思うんだけれども、シドニー・ルメットが超シブく描写するから、まあそれはそれでアリかな……と思ってしまう。このくらいの年頃の少年が自転車で移動するところを見ているだけで、なんかこー嬉しくなっちゃいますね。
しかしまあ、この親離れと同時に父の子離れであるというストーリーラインがある一方で、親もまたその親との関係に向き合う話、という構造がまあ強固でありますね。その関係が微妙で簡単に問題は解決できないのはとても好感が持てるし、ラストの親側の決断も、実にこう微妙な関係性の事件をきっかけに行われていて、うーんストーリーの構造もよくできてるなーと思います。
あとまあ、そういうふうに親子の反発の話でありながらも、誕生日のエピソードで分かるとおりに、ちゃんとお互いが愛し合っている描写が入るのが良いですね。それは強権的な父に強制されたものという側面もあるのだろうけれども、音楽やダンスの描写が入ると、そういう部分を超えてお互いに絆があるように見えるというのは、なるほど納得……なんだけれども、コレってもしかしたら演出に騙されちゃってるところなのかもなあ。