ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

 

うーん、これ傑作だな。『バービー』見に行かざるを得ないじゃん。

なんにせよ、ラストの仕掛けが素晴らしくて最高。前の『若草物語』も観たけど、こんなオチじゃなかったよねえ。彼女に取って自立の術であった「ストーリー」さえ、男性による大衆的な要請によって、それまでの規範の「ハッピーエンド」に押し込まれてしまう、という展開を、しかし「女性の経済的自立」の面からむしろ肯定的に描いているのは、まあ感動的でありますよね。作品の中で一度袂を分かった男が、そういう大衆的な内容を批判していたところも相まって、いやー素晴らしいエンディングになってると思いますわ。ほんと、あのオチで完璧にやられました。

ただまあ、それ以外のところもかなり良くできているよねえ。もちろん、この作品が女性の自立を巡ったフェミニズム的な色合いの濃いストーリーであることは知っていたけれども、こんなにもそれを面白く見れたのは、監督の手腕なのかしら、それとも自分がそういった視点を以前より深く解釈することができるようになったという子となのかしら? 何にせよ、激しく時間が前後に行き来するこの編集構成は大変達者で、めちゃくちゃ上手く機能しているとは思うけれども。

あとまあ、こういう作品にこういう立ち位置で出ると、メリル・ストリープはめちゃくちゃ面白いなあ、と思いました。役者の中に文脈があるって希有なことだし、それがまたコレだけ長く活躍する女優、というのもまた珍しいよなあ。