この実家のような安心感はなんだ……!?
色々なところで話題になっている作品ではありますが、まあ話題になるのも分かる。新海誠のストーリーって基本的には構造がしっかりしてなくて、それが『君の名は。』でようやく本筋がしっかりしてて展開にも工夫があってちゃんとしたお話になってる! と思ったら、自作では工夫せずに本筋だけでガン! と勝負するお話になっていて、あーこれは確かに新海監督だしイイ感じの着地点だよなーと思った。大変思った。
そしてまあとにかく現在の都市を肯定的に描くことに注力しており、フツーそんな都市をああいう風に描写した後にあんなオチがやってきたら、変化後もをスーパー美術でステキに描いてくれるのかと思うじゃん? でもそこら辺ほとんどやらずにオチにドン! というのはすげー不思議な感覚である。まあ言ってしまえば変化する街としての東京を肯定しているともいえるのか。
ストーリーは一般的に考えたら大人を悪人然として描きすぎて鼻白むところだけれども、新海監督の求める世界観を忠実に表現するならああなるほうが真摯なのかしら。でもなんであんなにデフォルメ強くしなきゃならなかったんだろう? 全体的に都市はこれ以上ないくらいに今の時代を切り取ることを是としていて、日常の会話もかなりナチュラル志向だったのに、リーゼントと過剰なおっさん声で突然リアリティレベルが変わってしまうのがやっぱり引っかかるよなー。あ、あとどうでもいいけど噂の本田翼は結構しんどかったです。
あとRAD名曲がん! と来てるのにアガらないのはRADへの忠誠心がたらんのが原因なのだろーか。あんなところで聞き慣れたあんな曲流されたらフツーもっとジーンと来ちゃうような気がするけどなー。全体的に音楽はもう一声って感じがしました。