ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

RRR

rrr-movie.jp

そりゃまあバツグンに面白いよね。

バーフバリもすごかったけれども、アレよりだいぶ脚本が洗練されている感じがするのは気のせいかしら。構成が美しいというか、ふたりの人間が情報量のコントロールによって対立したり行き違いが起こったり……というのが大変スマートに描かれていて、感心させられっぱなしだった。偶然性が果たす役割の多い脚本ではあるけれども、神話を背後に敷くことで、それがある種の運命として機能しているのも、まあ織り込み済の内容ではあるよなあこれ。

でまあ、神話のくだりでどうしても思い知らされたのは、ナショナリズムをこういうエンタメで行えるのはすごいなーってことでありまして、日本じゃ全然できないだろうなあ。そもそも「旗」をある種の象徴として使うことだってかなり大変なのになあ。自分たちのアイデンティティを古くからの神話や音楽に重ねてエンタメとして語るのを、コレだけ真正面からやられるとまー参りましたって感じ。ラストで偉人バンバン出すとかまあ大変誇らしいよね。イギリス人がビックリするくらい悪人として描かれているけれども、分割して統治された人間がナショナルアイデンティティを手に入れるまでの話なんだから、それを勧善懲悪的に描くことに何ら躊躇はいらないっすよねー。

まーそれにしても音楽が素晴らしい映画だったわ。悪い癖で普通の映画だと、ミュージカルシーンとか流し見になっちゃうんだけれども、これはもう終始画面に釘付けだったもん。IMAXで見ましたけれども、いやー大正解って感じでございました。