ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

シンプル・プラン

 

サム・ライミなのね。単純な状況から問題が展開していくって筋書きは大変好きなので、この映画も大変面白く観られました。中盤以降はもうちょいお互いの思惑に説得力があってもよかった? でも序盤の、普通の善良な人々が、欲望に負けてどんどんと泥沼に足を踏み入れてしまう、みたいな展開は、大変良くできているなあと思います。特に主人公の動機が、「妊娠した妻に不自由のない生活をさせてあげたい」というある種ズルい状況に立脚しているのが良いですね。そしてその妻の計画こそが一番じゃ悪である……という立て付けも大変面白いなあ。そして、その計画のお粗末さも、まあ笑っちゃうけれども、作品中では良いあんばいで機能していますね。

動物の使い方はさすがサム・ライミって感じで、あーそうかこういう風に偶然性を関与させるんだな……というのは大変勉強になります。用事のないはずの雪道に車を停めることを、どうやって正当化すれば良いか……という、いかにも単純な問題に苦悩するのもすげーうまいと思います。死んだと思った人間が生き返って共犯者になるくだりとかも良くできてるよなあ。

「え? そんな都合で進んじゃって良いの?」と思うところも多々あるんだけれども、サスペンスはきちんと成立しているし、こういう映画も良いなあと思わされる内容でした。