ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

しょぼい喫茶店の本

 

しょぼい喫茶店の本

しょぼい喫茶店の本

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喫茶店の日常を知りたくて読み始めたんだけれども、どっちかっつーと自己啓発とか企業とかの話でビックリした。

まあ色々言いたいことはあるんだけれども、この本を出した後著者が心的な負担に耐えきれず、結局お店を閉めてしまった……というのがまず大前提だよね。どう考えても持続性がなく、人と人とのふれあいが織り成したチャンスに、一瞬気持ちが持ち上がって自尊心が回復したけれども、それはあくまでそのチャンスが他者から与えられたことで生み出された偶然で、彼はそれを「経済的自立」という継続的な自己肯定に繋げることができなかった……というのは、残酷だけど事実なワケで。もちろんその中で大切なパートナーを見つけることができた(あとがきのすばらしさ!)、というのはとても価値のあることだけれども、それはそれとして、ある種の企業のマニュアルとしてこの本を持ち上げるのは、とても無責任なことのように思えるなあ。っていうかこの金勘定のできなさで「起業できた!」って誇るのは、主観的には確かにそうなっちゃうかもしれないけどさあ……

途中でnoteでファンクラブなんかのくだりも出てくるけれども、お金をポンと出したりする側の人、本質的には「人間をコンテンツ化して金銭を受け取る」ことを奨励してるアングルになっちゃってて、それは大変危険なことだと思うよ。もちろん、それが功を奏して上手く回ることもなくはないのだろうけれども、こういうやり方を「自己責任」の名の下に安易に推奨するのは、ないなあ……と思いました。