ひでー映画だなあ。
まず何を置いてもみんな怒鳴りすぎだよねえ。正直あの立場の人間があの危機的状況でああいうパワハラめいた怒鳴り方ガンガンしているのがキツすぎる。で、よくわかんないけど、そうはあってほしくないけど、でもそれがもし実際にあのような大声で怒鳴る現場だったとしても、フィクションに落とし込んでんだからその行為に対して何らかの意味づけをして欲しいよね。総理大臣は愚かな行動をとっているように描かれている一方で、現場の人間は大声で怒鳴ってもそれは正当化されるこの内容は、まー全く信頼ならないですね。
途中で飛行場の記念碑がこれ見よがしに映ってたけど、アレって特攻隊の訓練を行った飛行場で、その精神性が福島原発の事故にも繋がっているってクソわかりやすい暗喩でしょ？ 特攻隊をネガティブに捉えているなら、それを生み出してしまった状況に対する疑問をもっと批判的に捉えると思うんだけれども、時の総理とかあるいは自然災害とかに全部罪を押しつけて、現場の人間を英雄と捉えるその姿勢は、いやーちょっとオレには意味わかんないですね。高度経済成長を辿った日本のスタンスが福島原発事故を招いた、ってスタンスなら、全面的にプロジェクトX的価値観OK、悪いのは上層部、なんて描き方できないじゃなんじゃないですかねえ。
っていうか事実に基づいている話で、実際に被害者もまだ帰宅できなかったりしている状況で、よくもまあこんないかにも形式的な芝居の映画を撮れたもんだなーって感じ。体育館で東電の職員が褒め称えられるシーンとか、呆れて乾いた笑いが出ちゃったよ。
今色々問題になってる『新聞記者』もそうだけど、事実に基づいたフィクションをどう描くかを、邦画はやってこなかったんだなーって感じ。あー、『沈まぬ太陽』見とかないとダメだな、やっぱり。
