ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

わが命つきるとも

 

わはははは、わはははははは。アメリカって西部劇でも裁判がテーマになるのかーと思ったら、直後に観たこの映画が「イギリスの裁判はこうだ!」とマウントとってきたみたいで、こんなん笑ってしまう。

トマス・モアとヘンリー8世の関係を描いた映画で、英国国教会の立ち上げ辺りのエピソードなんだけれども、国王が離婚したいからって宗教が立ち上げられてそれが偉人の命を奪う裁判に繋がる……という流れって、もうスーパーイギリス的で笑っちゃうわ。イギリス人の王室ってず――――っとこんな感じなのかしら。

そしてまあそれで命を落とすトマス・モアもまあサイコーで、まあ要するにソクラテス的に自分の理想に殉じてしまう役割なワケだけれども、その表し方がひねまくっててて、うおーこれがイギリス……という感じ。そのひねた向こう側にちゃんと家族への思いなんかも滲ませてるんで、シーンはめちゃくちゃ感動的なんだけれどもね。

それにしてもこの時代から「陪審員の評決」を求める辺りとか、あと裁判長が宗教的指導者であったりとか、うおー裁判の歴史を目撃している! という感じになるのが面白い。そこで「神」と「法」の距離感に関わるドラマを描かれると、今日の視点から見るとまあそれだけで面白いよね。

イギリスの議会が右翼左翼に分かれる例の配置だったり、映画自体はまあそんなに……という感じだけれども、イギリスの歴史でズガン! と頭を殴られた感じのする映画でございました。