ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

薬屋のひとりごと

 

うーん、噂には聞いていたけど、良くできてるなー。

このくらいの尺でこのくらいの小さな人間ドラマを積み重ねつつ、きちんと短い尺でミステリーを成立させているのは達者だなーと思うし、そこにきちんと主人公の特殊な立場と性癖が噛んでいるのは素晴らしいの一言だなー。毒味という地位をヒロインに獲得させて、なおかつこの性格付けを置いたのって、とても良い発明だと思いました。あとまあそれに対比させて美形の宦官を置くのとかもまあ巧みよね。色々なエピソードをふわっと連続させて、後宮そのものの輪郭を描いているのもとても良いし、まあ巧み。いろんな意味で巧み。

一方、チョコレートみたいな新大陸との関わりと年代とで結構ギリギリかな……? みたいなところもあるけれども、あんまりそういった世界観設定・考証の方には踏み込まず、この世界観でのストーリーのバランスでお話を転がしていくのは、あーまあ確かに酒見賢一とかあそこら編の雰囲気を思い出しますね。いや好きなんですよ『後宮小説』。あいや、『陋巷に在り』『泣き虫弱虫諸葛孔明』とかのゴリゴリ資料読み込みつつも、それとフィクションのバランスをとる一連の作品群も好きですけれどもね。あいやいや、『後宮楽園球場』みたいな与太も好きですけどねものすごく。