ガチラノ

死ぬほどどうでも良いわ…

理論疫学者・西浦博の挑戦 新型コロナからいのちを守れ!

 

いやーすごい。素晴らしい。なんとなーくTwitterでは見ていて、「情報発信に踏み込んで苦労しているな」とか「その役割を個人に負担させるのはリスクコントロールとしてひどいな組織として政府がバックアップしないのか」とか思っていたけど、その想像は当たっていたし、そのディテールに触れるにつけ文章感から滲み出る「色んなことを考えたんだなあ」という感じが伝わってきて、ヤバイ。

象徴的なのは政治家に対しての描写で、小池百合子率いる東京都には「自分を強かに利用しつつも腹を割って実務に当たった」みたいな評価である一方、大阪とはそのコミュニケーションの行き違いに困惑したり、また後に自分が市長からポピュリズム的スケープゴートとして使われていると指摘――しつつも、市長もそういうものを必要とする立場なんだろうなあと思う、みたいに相手の立場に立った指摘をしているのが、あーきちんと議論のできる人なんだろうなーって感じ。そしてなにより安倍総理に対しての触接的な言及は、この立場にあるにもかかわらず異常なくらい少なくて、直接的なのは「アベノマスクに尾見先生が怒りを露わにしていた」みたいなくらいに止めてあるのは、もうこれ明らかに「そういった結論がわかりきって議論の余地もない個別の事象を取り上げる時間はないので、意味のある話し合いをしましょう」って態度だよなあ。

そしてこれを出せるときに最適のポジションにいる川端裕人が素晴らしすぎる。このスピードでこの本がこういう内容で出たことは本当に良いと思う。きちんと複数人の書き手で内容が担保されているのも素晴らしい。うーんあらゆる意味で素晴らしい本だと思う。

みんな読もう。