うーん良い映画なのはまーわかるんだけれどもどーもこう良い映画にしようしようという作意が強いような気がして好きになれない。もちろん構造として馬と人間の立ち位置を対比させてその狭間にある自分のこれからを問いかけるつくりなのはわかるんだけれども、その構造が余りにも露骨すぎるというか……兄に献身的に尽くすのは、彼が愛馬に対して献身的に尽くすのとパラレルで理屈としてはわかるのだが、しかしなんかなー、障害者に献身する主人公を作品の中心に据える事って、もうそれだけで警戒感を抱いてしまいますよね。あの環境で娘が男社会の中でノーブラで歩いている状況やら、スーパーに子供がやってきてヒーローと主人公に声をかける状況やら、うーん……やっぱダメだ。ストーリーに都合良く話ができすぎている。金の話もグリグリ圧がかけられているかと思えば、しかし決定的な問題には全くなっていないし……雰囲気だけ良い映画、はあるものの、そこにあんまり人間味が感じられてないんだろうなー自分は。もうちょい主人公に汚いところ見せてくれないとオレは信じられない。セックスでもなんでもいい。そういう人間的に共感できる部分、弱さの部分が、病気以外に存在しないと、オレはこの主人公の話に興味を寄せることができない、という感じがしょうじきしたのだった。